さち皮ふ科クリニック

いろいろな皮膚のトラブル

◆肌荒れ? 化粧まけ? 更年期?


50代の女性からよくうける質問に、答えてみました。
皆さんは、こんな経験ありませんか?

1. 首の前側が赤くガサガサに荒れた


Q.今年(2007年)6月末、首の前側が赤くガサガサに荒れ、A医院を受診。

膠原病の検査は陰性で、診断はつかないまま、ステロイドが処方されようとしたので断りました。

その後、何もしないまま過ごしたものの、症状は悪くなる一方で、顔と首前面は汗が出ず、ホットフラッシュのような症状が続いていました。

7月に婦人科健診のためB病院を受診した折に、産婦人科医に顔と前首の症状を診てもらい更年期障害だろうかと相談しましたが、違うとのこと。

同病院の皮膚科も受診し、光線過敏症の可能性について尋ねたところ「光線過敏症は症状が後ろ首筋に出る。

あなたの場合は前首なので、違う。
何か原因を自分で考えて」と言われました。

化粧品が首に飛んで日光に反応したのではと、化粧品のパッチテストを勧められましたがテストはせず、「これほど広範囲でひどいと、ステロイド内服しかない」と皮膚科医に言われましたが断り、ワセリン外用のみ処方してもらいました。

症状は、顔と首(前面)だけが乾燥し、赤く、ほてりがあります。

その部分は真夏日が続いているにもかかわらず汗をかかず、皮膚症状は一見、アトピーのようです。
今は、ワセリンを塗っています。

肌荒れそのものは昨年11月頃からあったのですが、このときは何も塗らないままに軽くなっていました。

そのときから、洗顔料や化粧水、乳液、クリームは「アトピー・超乾燥肌用」に変えました。
化粧は出勤日だけ(週5日)しています。(奈良市:兼業主婦)


A.保湿のしすぎです

●肌につくものはすべて異物

よくあるパターンであれば、「保湿のしすぎ」です。

保湿のしすぎで皮膚が弱り、接触性皮膚炎のようなことが起こっているのでしょう。

肌荒れが起きると、「しっかり洗って、清潔にして、キチンと保湿(化粧水・乳液)をしなくっちゃ」と女性は考える。
これで悪化してしまいます。

「保湿しなくっちゃ、」を捨てること。


乾燥肌は肌の表面を覆う角質細胞の配列がみだれたスカスカ肌。肌内部の潤いを封じ込め、外部の刺激を跳ね返すバリア機能が弱い。

保湿をすれば乾燥は和らぐけれど肌本来の機能(バリア)は取り戻せません。

昨年11月の乾燥のあと、購入したアトピーグッズを熱心に使ったとこから、トラブルの臭いがします。

そこで次のようにしてください。

•朝の洗顔を完全に止める

•顔の汗を拭くときも、乾いたハンカチで

•化粧水を含め、全ての化粧を中止(これが守れないと回復は無理)

•夜は水で簡単に洗顔、石鹸は使わない。シャンプーやリンスが顔に当たらないように注意。シャワーも直接顔に掛けない

•入浴後、何もつけない(ワセリンや化粧水、乳液も)

2週間ほどは、乾燥が悪化しますが我慢してください。
肌が乾いた環境におかれると乾燥に対応できるよう自前のバリア機能が回復します。

2. 洗顔を止めると皮膚がバリバリに

Q.洗顔を止めると皮膚がバリバリに

真夏日が続く毎日なのに、顔を洗うこともできないと言われてとてもびっくりし、困りました。

仕事で荒れた素肌のまま出勤するわけですし。

それでも、意を決して実行したところ、1~2日でまず顔の赤みとほてりが、目に見えて軽くなりました。

職場の人たちにも「きれいになったね」と言われました。

しかし、皮膚がバリバリに乾燥して粉ふき芋のようにポロポロと粉が出ているみたいな感じです。

そして、顔や首を動かすと肌が裂けるような感じです。


A.心配ありません

傷んだ角層は2週間で一度入れ替わり、4週間で新しい皮膚となり、自前のバリア機能が回復すれば保湿なしでも乾燥しません。
(40~50歳代ではもう少し長くかかるかも)

乾燥が悪化して粉をふくのは、今まで化粧水などで保湿していたため、肌自らが保湿する働きを失ってしまっているからです。

皮膚は外界に適応するので、乾燥した環境においておけば自前のバリア機能が回復して、保湿なしで自然としっとりした肌になります。

3. 8週間後、素肌がきれいに


Q.8週間後、素肌がきれいに

朝の洗顔なしで2週間、乾燥は続くものの額の生え際から汗が少しにじむようになりました。

さらに1週間後、首の赤みがほぼ消えました。

洗顔を止めてから5週間、夜に水で洗顔した後は少しつっぱるものの、目と口の周り以外は粉ふき状態がほぼなくなり、ツルツルしてきました。

A.朝の洗顔なしで2週間、乾燥は続くものの額の生え際から汗が少しにじむようになりました。

さらに1週間後、首の赤みがほぼ消えました。

洗顔を止めてから5週間、夜に水で洗顔した後は少しつっぱるものの、目と口の周り以外は粉ふき状態がほぼなくなり、ツルツルしてきました。

そして9月20日、やっと8週間が経ちました。

始めのひどい皮膚状態を知っている職場の人たちに「もういっそ、何も化粧しなくてもいいんじゃない?」と言われています。

ただ、少し、鼻の周囲がべたつくときがあるのですが、石鹸で洗顔してはだめですか?

それと今後の化粧法はどうすればいいですか?


A.今後の洗顔は石鹸またはオイルクレンジングで

よかったですね。
化粧は、化粧水もミルクも不要、ファンデーションと白粉だけでいいのです。

そして、化粧した日の洗顔は石鹸を使ってもいいですが、オイルクレンジングのほうがお勧めです。

化粧品はオイルに粉を溶かしてあります。

顔に塗布してオイルが蒸発し、粉が残ります。

もう一度オイルをたっぷり与えると顔の染料がとけて落ちます。

ダブル洗顔(注)は必要ありません。

アイラインやマスカラ、頬紅などをしている場合でも洗顔方法は同じです。

そして、夜の保湿(化粧水・乳液)もなしで大丈夫ですよ。

(注)ダブル洗顔クレンジングで化粧を落とし、石鹸(または洗顔剤クリーム・ゲルなど)でさらに洗うこと。

◆水虫(足爪白癬)の治療◆

足白癬(みずむし)ってなに?

-真菌が皮膚に感染して、ミズムシとなります。

「痒み」「みずぶくれ」「皮膚のがさがさ・ヒビワレ」などは、足の皮膚が真菌を排除しようとして頑張っている形の現われです。

「真菌がついた?」を思ったときは、流水でながせば大丈夫です。

流した後、しっかり乾燥させてください。

-白癬菌とは

もともと土壤にいて動物の皮膚や毛の西郷に含まれるケラチンを分解吸収する真菌(カビ)です。

カビは乾燥に弱く、湿気るとふえるので、足を乾燥させることが大切です。

-角質層(垢となる部位)


皮膚を強くこすると「垢(あか)」がでます。「垢」は表皮細胞の死骸です。

皮膚の表面には表皮細胞の死骸がかさなりあって、内部を守っています。

その層が非常に厚いのが足底で、細胞を柔軟に守るために水分が供給されているので、蒸れた足に暖かさが加わると「カビがはえる全条件がそろう」ことになります。

-水虫の治療法

1. 優しく洗って下さい

●アカスリをしない
ゴシゴシ洗わないで下さい。
軽石でかかとをこすると、かかとの角質はさらに厚く固くなります。

大切なことは、洗うことよりも、入浴後にしっかり水気をふいて、乾かすことです。

2. 薬の外用・爪にはローション

●入浴後が効果的
入浴後は、角質に水分が多く、外用剤が一番浸透しやすい状態です。

爪は薬が浸透しにくいので、しっかり短く切って、入浴後爪がもっとも柔らかくなっているときに、爪先から液剤(ローション)をさします。

爪表層からは薬剤が浸透しません。

-治療のポイント

足をいつも乾燥させた状態でいることが大切です。

●スリッパ、風呂場のマット、靴下、靴を別にする

白癬菌のいる角質が、足について長時間経過するとうつります。

はきものは別々にしましょう。

◆デリケートゾーンのかゆみ◆


かゆみの原因はなあに?

デリケートゾーンのかゆみの理由は3つあります。

1、腫瘍によるもの。
2、感染によるもの。
3、むれてかゆくなること。

それぞれについて説明します。

多くの患者さんは3の蒸れて痒くなる方です。生活スタイルの見直しをしてください。

1.腫瘍によるかゆみ?

陰部には、ページェット病という腫瘍が、高齢の人にはみられることがあります。
この場合は皮膚生検が行われます。

なにかできていないか、よく見よう!

2.カビによるかゆみ?!


蒸れる場所なので発生して、かゆみの原因となります。
顕微鏡検査で確認します。

カンジダ、白癬の検査

3.蒸れたからかゆくなった!!

日常生活のスタイルが原因で、最近とてもよく見られる症状です。

生活スタイルの見直しをすると、良くなります。

今の日本の生活は清潔志向が強くて、皮膚のもっている自分の力をこわします。

かゆみがでると清潔にしようと強くおもって、逆にかゆみの原因をつくってしまいます。

ここは一つ発想の転換が必要ですね。

-治療法

肌がいつも新鮮な空気に触れることがポイントです。

密閉して湿度が高くなると、デリケートゾーンが蒸れます。
それがかゆみにつながっていきます。

 下着・衣類の工夫をしましょう!

【朝】

下着:大きくて風とおしのよいトランクスのようなものをきてください。
シルクのトランクスは湿気がなく、肌触りがよく一番のおすすめです。

ボディスーツやコルセットなど、時にはストッキングも身体をしめつけて、むれる原因となりますからやめましょう。

○トランクス、綿100%、シルク製品

ボディスーツやガードルは、かゆみを強くします。

最近の下着はポリエステルやナイロン素材を含んでいるものがあり、注意して下さい。

【昼】

昼間はできるだけスカートをはいてください。スラックスはゆったりして、しめつけないのもを。ストッキングも締め付けるので注意が必要です。

タイトなズボンや、ジーンズは皮膚をしめつけ、こするのでかゆみが強くなります。

○スカート

タイトなズボンは避けましょう。
細身のジーンズがはやってますね。
でもかゆい時は、おしゃれはしばらく待って下さい。

【夜】

夜寝るときは皮膚温があがるので、特に痒みが強くなります。下着を全てとって、シルクパジャマでお休みください。スエットはご法度です。

○シルクパジャマ(下着をつけない)

ジャージ、スウェットはやめましょう。
パジャマにもポリエステルが使われています。必ず素材をチェックして下さい。

フリースを、ねまきにしていませんか?

 生活上の注意点

●ウォシュレットは使わず、ティッシュで優しくおさえて

トイレを使ったときに、ウオッシュレットを使われてませんか?
これはかゆみを強くします。

皮膚は不必要に水にぬれないほうがよいのです。

トイレ後はティッシュで優しく抑えて、おわりにしてください。

●軟膏はぬりません

下着の中は皮膚が薄く、外用剤の吸収のとても高い部分です。

そういう場所には何も外用しないのが一番です。

●入浴は短く、せっけんは中止しましょう

入浴で暖まると、それだけでもかゆみが強くなりがちです。
カラスの行水がおすすめです。

せっけんは使用しなくても、においの心配はありません。

デリケートゾーンのかゆみの原因を、「不潔のため」と思っていませんか?

ゴシゴシ洗って、皮膚の角質をこわして、かゆみが強くなる方があります。

かゆい時は、せっけんを中止して、タオルでこすることも中止して下さい。
簡単に流すだけで十分です。

◆手があれる!あかぎれ、ひびわれ!◆

手があれる!あかぎれ、ひびわれ!

寒くなるとひどくなる手あれ

Q.三年前から、しもやけのような症状がひどく、冬になると右手の指がパンパンにはれます。

皮膚科で軟こうを処方してもらいましたが、改善しません。

夜は手袋をし、毎日ハンドクリームを塗っています。

かぼちゃなどビタミンEを摂るようにもしています。

どうすれば治りますか。(広島市東区・女性・20歳)


A.水気をふき、冷えを防いで

しもやけは正式には凍瘡(とうそう)といって、指先や耳たぶなどが赤くはれ、かゆみを伴います。

寒冷刺激により、末端器官への血液循環に障害が起きるために生じます。

指先が寒冷刺激を受けると、動脈と静脈が収縮しますが、温かくなると動脈に比べて静脈の収縮の回復が遅れるために血流が滞り、指先の皮下組織に体液がたまった状態となり浮腫性の紅斑となります。

はれ・かゆみは血流が改善するときの治癒症状ともいえます。

指先が冷えやすい冬は、手袋などの防寒をするとともに、水仕事のあとは気化熱で皮膚が冷えますので、水気をしっかりふいてください。

治療では、ビタミンEの外用や内服、痛みのつらいときには消炎鎮痛剤を使用します。

なぜ手の湿疹はできるのですか。

Q.なぜ手の湿疹はできるのですか。


A.皮膚は、表面を覆う角質層のバリアーに守られています。

その角質層がお湯・洗剤やせっけん、シャンプーなどの刺激を繰り返し受けて壊れると、湿疹につながります。

角質層は通常、時間とともに回復するのですが、水仕事で間断なく刺激を受けると壊れたままとなり、余計に刺激を受けやすくなって悪化するのです。

どんな症状が多いですか。

Q.どんな症状が多いですか。

A.手の腫れのほか、かゆみ、ひび割れが多いです。
外来患者では女性が約七割を占めますが、主婦ばかりでなく、水仕事を避けられない調理師や美容師の男性も少なくありません。

どうしたら治りますか。

壊れた角質層が完全に回復するには、一カ月かかります。

この間、とにかく洗剤や水に触れないようにする生活を勧めます。

職業柄どうしても水仕事を続ける人は、手袋を上手に使って、洗剤や水に直接当たらないようにします。

ただし手が蒸れないように気をつけてください。

手袋の中で皮膚が蒸れると角質層の薄い手背の湿疹が悪化します。(蒸れのせいで、湿疹が広がる可能性があるからです。)

蒸れにくくする工夫とは。

Q.蒸れにくくする工夫とは。

A.手袋を二重にします。
木綿の手袋をし、その上からゴム手袋をはめます。

木綿の手袋は、さらに指先部分を切ると、いっそう蒸れにくくなり、手も動かしやすくなります。

使い捨てのビニール製手袋も役立ちます。

例えばトイレに行ったり、子どものおむつを交換したりするときに使って、用事のあと捨てれば、手を洗わずに済みます。

塗り薬は使いますか。

Q.塗り薬は使いますか。

A.傷ができれば亜鉛化軟こうや洗剤仕事の前後にワセリンを手に塗るとよいでしょう。
刺激から手を守る効果が期待できます。

ほかに気をつけることはありますか。

Q.ほかに気をつけることはありますか。

A.かゆいときに、手を熱湯につける方があります。

熱湯の中でかゆみは一時的には収まるのですが、結局は皮膚の表面にある脂分を奪ってしまうため、皮膚のバリアー機能が弱ってしまうのです。

最近は大人だけではないと聞きます。

Q.最近は大人だけではないと聞きます。

A.実は、しょっちゅうせっけんを使って手洗いをする幼児にも、手の湿疹が増えています。

幼児の手は角質層が薄いうえに、きちんと水気をふき取らなければ蒸発時に乾燥してしまいます。

清潔にする心掛け自体は悪くありませんが、洗い過ぎに気をつけましょう。

◆手あれの治療 〜実践編〜◆


これで治る!あかぎれ・手あれ

治療のめざすところは、角質層の保存。
1ヶ月で新しい角質層が再生されます。

-生活の工夫:角質層をこわさないこと=手を水にぬらさない。


手洗い回数をへらそう!

トイレのあと外出して帰宅したとき食事の前おむつ交換のあと手を洗わないで!!

どうしても洗う時は、水だけで洗いましょう。洗剤は使わないで。

-ヒント!使い捨て手袋を惜しみなくつかいましょう。


手袋をして、オムツを替える、トイレにはいる、そのあとは、手袋を捨ててしまいます。手は汚くないよ。

手が良くなるまでの間、一枚一円以下ですから、おしみなく使って下さい。

トイレ後に手を洗うよりも、手袋を使って、捨てましょう。

そうすれば、痛んだ手が水にぬれずにすみます。

治療として


洗剤を使う前に、ちょっとワセリンを手にぬりましょう。

入浴の前、シャンプーの前、皿洗いの前に。

ちょっとのワセリンで大丈夫。

食器洗浄機もおすすめの品です。
皿洗いも、水だけで、お湯や洗剤に触らなければ手あれは改善していきます。

-治療を成功させる秘訣を伝授 「手は素のままでねましょう」


夜ねるときには、ワセリンもハンドクリームも何も手にぬりません!手袋もしません。
手は「素」のままでねましょう。

こんなことしていませんか?どれも手あれが治らない大きな理由です。


●シャンプーを荒れた手でしていては良くなりません。
シャンプー回数は週に1回にするか、人に洗ってもらいましょう。

●子どもと風呂に入り、子どもを洗ったり、子どものシャンプーをしていると良くなりません。

●夜にハンドクリームや手袋で保湿をするのは、せっかくの治る時間をつぶします。
夜は何も塗らないで寝ましょう。

●ビニール手袋で風呂に入ると、洗剤はつかなくても手袋の中で手指が蒸れて手あれは悪化します。

-「こんな生活できないわ」という、きれい好きの清潔なあなた!


たとえばインドでは、1日中、飲む水も十分になく、生きている人はたくさんいるでしょう。

ちょっと、手洗いをしないくらい、大丈夫大丈夫、心配はいりません。

◆じんましんってなあに◆

蕁麻疹(じんましん)ってなに?

-たとえば、蚊に刺された場合は・・・


蚊にさされると、蚊のつばがはいってきます。

皮膚にはマスト細胞という、蕁麻疹をおこす細胞がすんでいます。

「おっ、これは異物じゃないか。ヒスタミンを放出するぞ」

放出されたヒスタミンの作用で、血管は膨張し水があふれだし、「つば」を希釈してうすくうすくして、リンパ管などをとおして、運びさります。

水がもれるので、局所はふくらみ(腫れ)、血管が拡張するので赤くなり、ヒスタミンは神経末端も刺激してかゆみがでます。

-さて、蕁麻疹は・・・


蕁麻疹は、蚊がささず蚊のつば(異物)が皮膚にはいってこないのに、同じような反応がおきる状態です。

膨疹はかゆみがありますが、皮膚はまったく壊れていませんから時間がくれば、水も吸収され、はれもひき、跡が残ることはありません。

「とくに何もないが、気分が悪い。機嫌が悪い。むしがすかない。ヒスタミンの放出じゃ」

という、わがままマスト細胞のなせる技です。

治療につかわれるのは、「抗ヒスタミン剤」。
抗ヒスタミン剤によって、ヒスタミンの作用をブロックすれば、症状はでません。

抗ヒスタミン剤の作用で、蕁麻疹の症状は軽くすみます。
でもわがままマスト細胞が素直になったわけではないのです。

-マスト細胞が反応する時


マスト細胞は蚊のつば以外にも、いろいろなことで影響をうけます。

皮膚を通して直接入ってきた異物には勿論のこと、口から入ってきた食事や薬にも反応しますし、かぜのような感染症で体調不良な時にもヒスタミンを放出しやすくなります。

異物は皮膚から、口から、気道から入ってきます。

体に好ましからないものが入ってきたとき、マスト細胞はヒスタミンを放出し、異物に対応していくのです。

「赤ちゃんが卵を食べて、全身に蕁麻疹がでました」という経験のあるお母さん、それは、マスト細胞が未熟な消化管を通ってきた「十分に消化されていないたんぱく質」に過剰に反応したのです。

-蕁麻疹の治療法

 マスト細胞を制御するものは何でしょう?

蕁麻疹のでる時は

1)入浴は避けましょう
入浴をして体があたたまり皮膚の血管が拡張すると、じんましんはよく起きます。

2)香辛料は避けましょう
カラシ、タカのツメ(とうがらし)など、スパイシーなものは症状を強くします。

3)たっぷり睡眠をとりましょう
子どもは(大人も勿論)ぐっすり睡眠をとることで、いろいろなホルモンバランスがとれます。

多種類のホルモンがでて、成長もしますし、良好な体調がうまれます。

4)早起きをして朝日をあびましょう
早起きをして、朝日をしっかりあびることで、朝のホルモンが十分に放出されます。

その朝のホルモンに:ステロイド・セロトニン・アドレナリンがあります。

朝のホルモン「アドレナリン」は元気な一日をおくる、戦いにいどむ、エンジン始動のホルモンです。

そして、このアドレナリンはマスト細胞を制御する力を持っています。

朝、十分なアドレナリンの放出があるとき、マスト細胞は制御され、「ちょっとした間違い」ではヒスタミンを放出しません。

 蕁麻疹をなおすには


原因が解っている時は、原因を取り除いて下さい。

早ね早起きと健康的な生活をおくることで、十分な朝のホルモン「アドレナリン」が放出されれば蕁麻疹が制御されます。

でも、もし、子どもが(大人でも)夜遅くまでおきていて、朝も寝坊で朝食もとらず、毎日をすごせば、どうなるでしょう?

いろいろな不具合がおきてきます。
はっきりとした理由もなく、蕁麻疹が続くとき、蕁麻疹はその不具合のひとつの表れ、休養と活動のバランスがくずれている合図です。

さぁ、蕁麻疹がでたとき、あなたはどうされますか?

薬?それとも、睡眠?

◆高齢者のはだのトラブル 〜どうして、毎日かゆいの?〜◆

高齢者の皮膚の特徴

-高齢者の皮膚の特徴

【角質層を守りましょう】

高齢者は新陳代謝がおちています。皮膚は1ヶ月でいれかわりますが、皮膚の保湿成分が少なくなっている高齢者の皮膚は、ターンオーバーの期間が長くなります。

薄い角質層は、「剥がれ落ちない」ことで、角質層を厚くし、バリア機能をたもちます。

冬に、銀杏の葉がおちて、一面に黄金の絨毯が敷き詰められています。

薄いかれ葉をめくると、下に地面がみえます。きれいな絨毯でいるために枯葉をめくらないことがポイントです。

-老齢肌のスキンケア

【少し年をとったら、シンプル イズ セーフティ】

1)入浴
入浴をすると、皮膚の保湿成分は失われ、乾燥がはじまり、やがてかゆみがおきます。

1.石鹸・シャンプー・リンス・入浴剤:なし
2.入浴温度:熱くしない
3.洗い方、タオルの種類、シャワーの使い方、拭き方:
洗わない・擦らない
4.本人の希望:尊重する
5.保湿:なし 何も外用しない

2)衣類と肌着
綿:下着に化繊をつかわない。

3)暖房と冷房
控えめ

4)食事と水分
控えめ

5)番外
ステロイド外用治療をうけている高齢者の方の場合
ステロイドの使用が長いときは、外用を中止すると離脱皮膚炎が一時おきます。

6)陰部洗浄
入浴する場合:ぬるま湯で1日1回ながす。
オムツをしている場合:水で1日1回ながす。

パット交換時には、排尿時の交換は水で絞ったタオルで軽くたたいて、陰部が乾いてからオムツ・パットをつけます。

ウオッシュレット:原則使用しません。
排便の汚れをおとすときには、使ってください。

◆8.赤ちゃんのおしりのケア◆

おむつかぶれの原因は?

-おむつかぶれの原因は?


【おむつの中は湿度が高い】

私たちの体の表面を覆っている皮膚の構造って、けっこう複雑なのをご存知ですか。
単純な一枚の皮でできているわけではありません。

皮膚は表皮と真皮とに分かれ、表皮のいちばん外側を角層といいます。
何層にもおよぶ厚い角層細胞が全身の表皮を覆い、保護しています。

この角層、じつは角化細胞の死骸なんです。
死骸であると同時に、外の刺激物(化学物質、アレルゲン、細菌、紫外線など)から内部の細胞を守り、体内の水分の蒸発を防ぐ、とても重要な役目を果たしています。

そして、ドライスキンやアトピー性皮膚炎、おむつかぶれなど、トラブルを抱えた皮膚の多くは、角化細胞の配列に隙間が生じて、角層の機能が弱まった状態といえるのです。

乳幼児期は新陳代謝が盛んでよく汗をかき、重ね着をして汗で濡れた下着のために皮膚が蒸れ、角層が壊れることがあります。

皮膚にとって、蒸れた状態は好ましくありません。蒸れることで、角層のバリア機能が弱まってしまうからです。

おむつの中は湿度の高い状態です。

密閉されて湿度が高い環境に加え、おむつの機械的刺激(尿を吸って硬くなった紙おむつで大腿がこすれ湿疹ができる)、尿や便による刺激(細菌の増殖やアンモニアなど)などによって角層が破壊され、「おむつ皮膚炎」(通称おむつかぶれ)が起きます。

カンジダ菌が増殖したことで起きる皮膚症状を「カンジダ症」といいますが、おむつをしている赤ちゃんにも見られます。

カンジダは健常な人の糞便、膣、咽頭、口腔、皮膚も検出される常在菌です。

カビの一種ですから、皮膚環境の湿度が高くなると増殖します。

見た目の症状としては、境界が明瞭な紅斑を生じ、小水疱や膿などが見られることがあります。

カンジダ症のときは、抗真菌剤の外用(*)を一日一、二回おこなってください。

-赤ちゃんのおしりのスキンケア

 おしりを十分に乾かす


おしりのケアは、おむつの交換時に、水で絞ったタオルで簡単にぽんぽんとたたき、そのあとおしりを十分に乾かしてからおむつをつけましょう。

その際、市販の「おしりふき」を使うのは、肌の弱い子には適しません。

濡れた紙や布で皮膚をこすると、皮膚は痛んでしまい、赤くなりますから。

便が出ていたら、あるいはまだ授乳中で柔らかい便がついていたら、ティッシュペーパーなどでやさしくふき、水で軽く流すか、水で絞ったタオルでぽんぽんとたたいて、その後しっかり乾燥させてから、おむつをつけます。

水は皮膚を刺激し、赤ちゃんに心地よい刺激をあたえます。

いずれのときも石けんはいりません。
入浴したときも石けんは不用です。水で軽く流すだけで十分です。

おむつかぶれでおしりが赤くなっているときは、短時間でもおむつをはずし、パンツをはかせて通気性をよくしてください。

風通しがよいと、赤みは改善されます。

 ステロイドの使用は厳禁


ステロイドは使用しないでください。
乳児の皮膚は角層が薄く、ステロイドの吸収が高いのです。

臀部はとくに角層が薄く、腕の皮膚を一の吸収力とすると、陰部は四〇倍も吸収します。

ステロイドの使用は、さらにカンジダ症を誘発するほか、くり返し使用するとむしろ傷の治りが悪くなり、肉芽形成(*)が見られることもあります。

ベビーパウダーは、おむつの中が蒸れて、赤みがあるときに、軽くはたいて使います。

赤みのないときは必要ありません。

一方、おしりがかさかさして荒れているような場合も、ワセリンや保湿剤の軟膏は不要です。

保湿をすれば、そのときは潤っているように見えますが、保湿をくり返すことで、肌本来の保湿機能はさらに小さくなり、皮膚のトラブルが大きくなるからです。

(*)肉芽卵円形の境界が明瞭な、少し盛り上がった赤みのある結節(ぐりぐり)。

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